99日目の夜

 

ドライブしながら、ふとかかったニューシネマパラダイスのテーマを聴きながら、思い出したサイドストーリー。

 

アルフレードがトトに話したおとぎ話。

ある兵士が王女に一目惚れ、告白すると王女は100日間ずっと自分の部屋のバルコニーの下にいてくれたら愛を受け入れると約束した。

兵士は来る日も来る日も約束を守り続け、どんどん弱っていくがひたすら待ち続ける。

だが、99日目の夜になって立ち去った。

それはなぜかは分からない。

 

映画のストーリーと関連付けるなら、

愛は冷めなかったけど、王女と自分は結ばれる運命ではない、自分では幸せにできないと自覚したというのが有力らしい。

私は去っていく兵士を見送る王女の気持ちを考えてしまう。

100日っておそらく適当に言っただろうに律儀に守る兵士に動揺して

身体的に弱っていく兵士にさらに動揺して

毎日言葉を交わしていたわけでもないから大丈夫?とも聞けず

この人たぶん100日目までいるだろうなと覚悟を決めて、最後の10日くらいは早く過ぎて欲しいと願い

そうしたら突然最後の日に彼は去っていってしまう。

部屋から走り降りてなぜ?と聞くこともできず、突っ立ったまま。

内心ほっとする?いや、その瞬間は動揺100%、その後、何に対するものか分からないけど後悔かな。

でも例えば20日目に、50日目に、75日目に王女がもういいわ、よく分かったのであなたの愛を受け入れますと言っても、2人は幸せになれなかったような気がするから難しい。

 

ともかく私は王女なんかじゃないから、いつだってバルコニーから裸足で飛び降りれるし、この人が大切だと思ったら、試さずに、疑わずに、ありがとうと素直に言って横に並んで歩こうと思う。